なまにく

リプリーのなまにくのネタバレレビュー・内容・結末

リプリー(1999年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

全く別の映画『コンテイジョン』を観た後にキャストが似てるなあと思って何となく鑑賞しました。そのぐらいの前知識なので、トム・リプリーシリーズに関しては全く知らないです。『太陽がいっぱい』も観てないです。
貧乏青年リプリーが偶々借りていたジャケットからプリンストン大学の卒業生だと勘違いしたグリーンリーフ氏が、ドラ息子ディッキーをNYに連れ戻してほしいと言われてお金目的でイタリアに行って、どんどん惹かれる話……では済まず、どんどんサスペンス寄りに落ちていく様がとても面白かったです。完全にラブロマンス的なものだと思っていたので。
なんと言ってもディッキー役のジュード・ロウの輝きっぷり。まさに雄の塊のような風貌でビーチに寝転ぶ様は輝かしく、この瞬間から私の中でのジュード・ロウ・ベストにすぐランクインされました。その後もリプリーとすぐに仲良くなると思えば毒を見せ、再び近付けば牙を向きと、猫のような気紛れな行動に感嘆しました。なんて魅惑的な、魔性の男、そりゃあリプリーも惹かれますわって。ベスト・オブ・ジュード・ロウです。
トム・リプリー役のマット・デイモンも最高にイケてなくて、必死にディッキーの親友になる為に一生懸命になる様がとても良いです。イケてない、ウブっぽいキャラも卒なく熟すものですから、マット・デイモンってなんでもアリだよなあって感じました。特に、ディッキーを殺した後に、一人二役を演じ始める辺りは特に感じましたね。ちゃんとリプリーでもあるし、ディッキーらしさも出ていて、全然混乱しませんでした。
まあ、リプリーの後に出てきたディッキーの親友役のフレディが、マット・デイモンに似てると言われているフィリップ・シーモア・ホフマンをチョイスしている所が、個人的に最高の配役だなあと感じます。あんなのジェラシーしか感じませんよ。
最後にピーターと2人でいる時のリプリーは、ディッキーとリプリーの融合体でもありながら全く別の存在にも見えて、とても素晴らしかったです。正直震えが止まりませんでした。彼がこの先どうなっていくのか、とても気になる結末で、正直原作が気になって仕方ありません。この機会に読むのもアリかもしれないですね。
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