ファンは原作通りの展開を期待しすぎたためか公開時は不評だったけれど、原作に束縛されることなく独自に作り上げた世界観をテンポよく見せていく語り口は先入観を捨てると結構面白い。それでいて所々にさりげなく原作へのリスペクト演出をしているのが憎い。
イタリア親父のマリオと精悍な若者ルイージの掛け合いもバディものらしくて軽妙で楽しいし、どこか間の抜けた悪役のキャラクターも笑える。そしてクッパ大王を憎々しく、それでいてチャーミングに演じるデニス・ホッパーの存在感がさすが。ヒロインをねちねちとなぶる演技は完全に子供向けから逸脱していて、『ブルーベルベット』や『スピード』を思い浮かべた。
あと最初は悪役だと思われた黒人の大女が結構格好よくて良い女、マリオとの掛け合いも粋なのが最高。
