うかりシネマ

スーパーマリオ/魔界帝国の女神のうかりシネマのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

マリオとルイージは兄弟ではなく親子。ヒロインはピーチではなくデイジー。クッパは恐竜から進化した人間。全くの別物なのに、キノコが活躍したりジャンプ台(もしくはくつ)でパワーアップ、ポリーンがマリオのヒロイン、グンバは元は善良な人間と、原作の設定を拾ってはいる。

ストーリーは90年代の子供向け映画のど真ん中で、停滞することなく常に動き続ける。人混みを走り、車があればとりあえず破壊して、目的が堂々巡りなのか矢継ぎ早に変わっていく。その場その場で最高潮を迎えるギャグも多発されて楽しい。かと思えば進化/退化や融合のシーンは妙にグロテスク。
勢いだけで突き進み、作戦も成功し、なんだかんだで全てが上手くいく。かと思ったらクッパの倒し方も子供向けらしからぬグロテスクなのも笑える。

キャラも世界観もぶっ飛んでいるが独特の熱を帯びている。ラストシーンも『ザ・グリード』を彷彿とさせるB級な終わり方で最高。
意外にも骨子は『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』がほとんどそのまま参考にしている。ブルックリンの配管工とトラックはそのままに仕事シーンを挿入し、攫われるのをルイージにして家族愛を、土管から地下帝国に、ヒロインは向こうの世界の住人、ジュブナイルとしてキノコは苦手スタート、クライマックスではクッパが現実世界に……と、要素の全てをブラッシュアップしている。