ジェームズ・マンゴールド監督が伝説のミュージシャン、ボブ・ディランの若き日を描いた最新作「名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN」の鑑賞に備え、同監督が手掛けた同じく実在のミュージシャンの伝記映画の本作を観た。比較的新しい映画だと思っていたが、2005年の公開だからもう20年も前の作品になる。
カントリー・ミュージシャンのジョニー・キャッシュの伝記映画で、幼い頃のトラウマや父との確執なども描かれているが、主に彼の2人目の妻となった歌手のジューン・カーターとの関係を描いている。
ミュージシャンとしてはともかく、1人の人間としては、不倫はするわ、クスリに溺れてステージ上で倒れるわ、前妻や子供達への対応も含め全く持って共感できず、自分勝手なわがまま男にしか思えなかった。
こういった破滅型の作家やミュージシャンが成功→家庭崩壊→孤独→酒・薬物→転落と転げ落ちていくのは現実にもよくある話で、似た様な映画は過去にもたくさん観たことがある。
不思議なことに何故だかそんな男に惚れる女が結構いるのもまた事実。だが、もしも自分の妹や娘がこんな男に言い寄られたら、自分だったら身体を張って全力で阻止するだろう😅
それなのにジューンの両親は、娘に彼のことを支える様に促しており、この辺りは国民性の違いなのか?それとも自分の心が狭いだけか?💦
それでもこのカップルを演じたホアキン・フェニックスとリース・ウィザースプーンの吹き替えなしの歌唱は見事で、様々な賞を受賞したのも納得できる。
終始共感のできない主人公であったがラスト近くの刑務所でのライブだけは感動的で、決して「Walk the Line」な人生ではなかった彼だからこその説得力があった。
〈余談ですが〉
明日観に行こうと思っている「名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN」のボブ・ディランと違い、ジョニー・キャッシュには特別な思い入れが無かった為、少し突き放した見方だったかもしれません。
彼のファンであればもっと暖かい目で観てあげられたのかも💦