くりふ

マッドマックス2のくりふのレビュー・感想・評価

マッドマックス2(1981年製作の映画)
4.0
【世紀末救世車伝説】

新作公開に向け復習ロード。この2作目は確か、名画座に落ちてからみました。『レイダース』と2本立てだったような気がする。

見世物性はパワーアップし、眺めて楽しい。お話としては驚くほど単純。オージーな砂まみれ激走で一気に走り抜けた後、何も残らない。この、あまりの何もなさに後で驚くところが逆に、本作の味わいですね(笑)。

改めて冒頭、オイオイ奥さんどうしたん結局?とツッコミたくなる。1で医者が峠を越えたし大丈夫、と言ってたじゃん。今回の集会で走るに邪魔だから殺しちゃったの?(笑) 1ではそんな奥さんの生に構わず死に突っ走るのが、マックスのマッドなところでしたが。

1の悪役が狂っていたのは、事故死上等!が前提のスピードジャンキーだったところ。今回もそうなのでしょうが、ガソリンないから走る前、入手に働かないといけない (笑)。

で、ガソリン争奪戦に終始するから、前作の「オレはナイトライダー!」というピュアな激走絶叫に当たるものがなく、キチガイとしては前座の走りで終わってしまうのが少し、寂しい。映画として精神的に弾けないところです。

マックスは前回で復讐済ませちゃってるし、奥さんの件放置だからホント、空っぽに映ります。

徹底してコミュ拒否だったのに、終盤Uターンか!となる心変わりが唐突だけれど、その結果運ぶ巨大なもの…これ、彼の心象とうまくリンクさせましたね。掌からこぼれ落ちる感じもすごく合っている。映画の物語として唯一、腑に落ちたところでした。

オーストラリアという土壌でしか生まれないだろう、という粗削りな独自性は健在で、CGゼロのラストチェイスは暴力サーカスとして何度見ても面白い。リアルな追撃と見てしまえば、タイヤ潰せばスグ終わり、の筈でしょうけどね(笑)。

<2015.6.29記>
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