ラース・フォン・トリアー監督8本目。
オープニングのスローモーションからいきなりそうだったけど、映像的には今までで一番美しく、とても叙情的。
静かな始まりで、いつ毎度のヤバイ展開になるか冷や冷やドキドキだったけど、取り越し苦労だった。
逆にトリアー監督の十八番、胸糞&支離滅裂を期待する方は肩透かしを喰らいます(笑)。
そういう意味では、トリアー監督作品らしく無いと言えばらしく無い。
地球滅亡ものと言っても、これはタイトルが示す通り「鬱」がベースのテーマなので、かなり異色。ただのパニック映画とは全然違う。静かに、深いです。
終末に直面したときに、普通の人が人格崩壊していくのとは逆に、鬱を患っている主人公ジャスティンが達観で自我を健全に保って行く様が、何とも皮肉。
でも、これは真理をついている気がする。
笑いながら「何度も死ぬ練習をしたよ」とインタビューでトークする、実際の鬱病罹患者トリアー監督だけに、かなり説得力があります。
それにしても主人公のオカン、最悪!
性格悪ぅ〜。