観た回数:1回
直近の鑑賞:Amazon Prime(20.03.09)
---
【STORY】
地球に衝突する小惑星の映像から一転、鬱病のジャスティンを新婦とする結婚式から物語は始まる。
バラバラな親族達と迫る危機が織りなす、暗めのドラマ。
【メランコリア】
今作で描かれる "メランコリア" は2つ。1つはジャスティンの症状である鬱病。もう1つは地球に迫り来る小惑星の名前です。
この作品の後『ニンフォマニアック(2013)』でセックス依存症の女を、『ハウス・ジャック・ビルト(2018)』でサイコパスの男を描くことになるトリアー監督が、
タイトル通り鬱病の女を中心に構成した作品となっており、
現実的要素と非現実的要素を併せながら、鬱病を持つ本人と、周りの理解者・非理解者達を描くドラマとなっています。
もちろん僕も経験はないため知った口は聞けませんが、鬱病への理解を助けたり、鬱病の人やその周りの人の気持ちに少し重ねさせてくれるような気がする作品でした。
セックス依存症やサイコパス、他にアスペルガーやADHD等もそうですが、"周りと同じに見えるのに" という精神疾患系はたくさんあります。
共に育った家族や、何らかで絆を深めた親友は彼らを理解しようとしますが、やはり "普通に見える" 人に対しては、病気と聞いていても辛く当たる人間も一定数いるのが現実です。そういった環境を今作はリアルに描いていると感じました。
そして地球へ迫る小惑星"メランコリア"。
地球に衝突するのかすれ違うだけなのか、人々の気を揉ませ、全人間を等しく "メランコリック" な状況にしてしまう災害がどんどん近づいてきます。
【ジャスティンの力】
上記の如く、皆が絶望を抱え、等しくメランコリックな状態になった時、元々鬱病のジャスティンだけはデフォルト状態。
そんな彼女の力は、"絶望の中で、周りの絶望を和らげる" 、そんな力だということが描かれています。
少し『ワンピース』のウソップが言い放った "俺は元からネガティブだ!!!" を思い出しました。
元々鬱のジャスティンにとって、日頃の嫌なことも小惑星の衝突も、同じく"憂鬱なこと"。
周りがパニックになったり泣きわめきたくなる状況でも、彼女にそこまで大きな変化は見られないのです。
ネタバレになるので自粛しますが、そんな彼女だからこそできたことがありました。
トリアー監督の映画は、"傑作でも嫌な気持ちになる" 系が多い気がしますが、今作はそこまで "嫌な映画" ではなく、美しいメッセージを残すような映画に感じました。
---
【ポスター】
《海外版》
英語版では、「花嫁衣装でブーケを手に川に身を浸すジャスティン」という、スローモーションパートで印象的だった姿をフィーチャー。
右上にしっかり小惑星メランコリアが映っています。
《日本版》
Filmarksにもある日本版ポスターでは、地球と近づくメランコリア、3人の登場人物をフィーチャー。
メランコリアに対して悲観的なクレア、楽観的な意見を持つジョン、そして大した感情の読めないジャスティンが映っています。
-----
【自分用メモ】
放尿
スプーン
風呂
アンタレス/蠍座
レオ/獅子座