冒頭の8分間のプロローグ
この8分間にすべてを奪われる
観る者を完全に陶酔させる美しさ
この後に始まる物語の象徴的なイメージが歴史的な名画のような映像で綴られていく
手持ちカメラによる不安定な構図や、同じ地球上で撮影したとは思えない色合いの映像などを駆使して、底知れぬ絶望を感じさせる不気味な雰囲気を創り上げています
トリアーはこの作品に自分のうつ病体験を反映させたと言っていて、まさにその人間の"脆さ"と"危うさ"を虚しく顕した美しき狂気の世界に、この作品を通し触れられる
ただ、それに触れたからといって観る側には何も与えてはくれず、虚無感だけが最後に残ります
鑑賞後は、何も感じず、何も考えられずただ時間が過ぎていくだけで、これほどまでに美しく"無"というものを感じさせてくれる作品は見たことがありませんでした
ある意味これまで見た映画の中で、最も鬱になる作品です😅