ルサチマ

黒時計聯隊のルサチマのレビュー・感想・評価

黒時計聯隊(1929年製作の映画)
4.4
インドを舞台にした映画としては『軍使』が思い浮かぶが、こちらの方が圧倒的に画面の色彩が暗い。そして、描かれる上半身裸で鞭打たれる奴隷たちの労働環境など、目も当てられない陰惨たるものであり、霧が立ち込めるのも当然のように思われる。フォードの中でもスピリチュアル的な要素がこれほど強い映画は中々ないのでは?
寓話的なラストの地に足つかなさが中々歪で、イタリアや北欧の初期映画を見ているかのような幻想的世界とも近しい手触りがあるような印象。
ルサチマ

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