都部

アイデンティティーの都部のレビュー・感想・評価

アイデンティティー(2003年製作の映画)
3.9
嵐の中モーテルで立ち往生する不揃いな十一人の男女達、彼等は一人また一人とその中に紛れ込んだ殺人者に殺されていく──怒涛の展開でお馴染みな傑作ミステリー。クローズドサークルを踏襲しつつも独自性で突き抜けていくオチは痛快で、数多の作品のオマージュ元になった作品。
あらゆる要素がこの話の大オチの為に仕組まれており、90分という時間の中でこの話をしっかり収める手腕も含めてこの手のジャンルだと教科書的な立ち位置の作品なんですかね。しっかりと見せる殺人描写やシチュエーションの設定で観客の期待と恐怖を煽るという意味でも的確で、実際 この話の犯人自体は終盤まで読めない作りなのも良し。振り返るとミスリードも多分に含まれており、観客の思考誘導という意味でも舌を巻くそれか。ツイストの利いた構成には喝采、タイトルの拾い方もスマートで好き。
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