スタイリッシュに響くジャズと通りすぎる街並み。
そこに過去を抱えたひとりの男。
全ての感情を忘れてしまったソル。
チカチカと始まるフラッシュバック。自分の中に、閉じ込めていた過去。左腕に刻まれたナンバーでさえ。
世の中の綺麗事も愛とかゆうものも全部、雑音だった。
罪悪感を抱え、散らかった髪の毛を風が吹くままふわふわと。
苦しみも思い出すけど、心に蓋をしていたらまた、大切な人を失ってしまう。
自分を思い出した今、痛みを抱えて生きてゆかなければ。愛した人の分まで。
わたしの心まで、ぷすっと、突き刺さったようにいたい。彼の代わりに、声をあげる。