サメガミ

グリーンマイルのサメガミのレビュー・感想・評価

グリーンマイル(1999年製作の映画)
4.4
世にも奇妙×ジブリのような映画だった。

死刑執行を仕事として執行日まで囚人を見守る看守のポールとその同僚。
そこに新たな囚人ジョンがやってくる。
囚人たちを見下すことなく、対等に接するポールは囚人たちにも信頼され平穏な場であった。
しかし問題児の看守と問題児の囚人によって平穏さは崩される。また持病の尿管の病気も悪化してくる。
そんな中でも誠実に仕事に取り組み淡々と問題を処理していく。
そんな姿を見ていた囚人ジョンはポールを柵の前に呼びつけ股間を触ることで持病を治してしまう。
不思議な力を持っていることに気づいたポールはある人のためにこの力を使おうと試みる。
そんな姿にジョンも共鳴し、不思議な力をある人のためや問題児の排除のために使い始める。
そんな時ジョンはポールの力を一部譲渡されると同時にジョンの容疑についての真実を知る。
被害者を助けようとしていたジョンの姿を知るが、死刑執行は免れる術はなく、執行日までポールら一同は最大限ジョンのしたいことを叶えてあげた。
時は現代に戻りポールは108歳になっていた。ポールの同僚や妻、子供、親しき人は皆先立っていた。そんなポールへジョンから譲渡された不思議パワーのために延命を余儀なくされるという苦悩を打ち明けるところで幕を閉じる。


ポールやブルータルの囚人を無下に仕事の姿勢はとても好きだった。
誠実に生きる人には誠実に生きる人が集まり、問題が解決されていく様がジョンの不思議な力を通して表現されていたが、最後の最後にそれが仇になってポールを苦しめているあたりのハッピーエンドとはいかない感じがいかにも人生のようで、面白かった。
またポールが無実のジョンを死刑にすることに対してのジョンへ脱走していいよという理性的でない発言やはたまた執行するしかないという現実の間に苦悩する心の葛藤もなんとも言えない味があった。