第3逃亡者

戦火の馬の第3逃亡者のレビュー・感想・評価

戦火の馬(2011年製作の映画)
5.0
泣くものかと思って見直したが、一家から馬を買い受けたトムヒが息子に帽子を脱ぐところでもう無理でした。畑を耕した息子に対しても親父が帽子を脱いでいるし、独軍の調馬師はプリンスと名付けた黒馬の死に目に鉄帽を脱ぎ、ジョーイのワイヤを切るシーンでも英独の兵士が同時に脱帽している。馬の毛並みを輝かせるために屋外でも丁寧にライトが当てられ、屋内では筋状のスピルバーグ光線が瞳などの一部を浮かび上がらせる。直接的な描写を回避しており残酷さがより鮮明になる。丘陵の向こうへ消えた少女がジャムおじさんの元にはもういないというラストは、もはや彼女を連れ戻せるような英雄は砂漠に消えてしまったというフォードの捜索者を踏襲している。風に揺れる大隊旗。フランソワとクロード。Be Brave。