スカパーにて。渡哲也主演のクジラの遠洋漁業を映画いた話。
69年公開とのことなので50数年前。冒頭の小樽のシーンとか凄い古く感じる。
渡哲也演じる青年は学生運動に挫折した学生で、兄が漁師。
東京に嫌気がさし、自身も漁師になろうと決意し兄と衝突するも鯨漁船へ。根っこは真面目な爽やか好青年。
更に高橋英樹演じる青年は、捨て子で育ての母と産みの母が二人いる。こちらも爽やか好青年。
神戸から巨大漁船で出航。さらに田村正和がヤサグレ青年を演じる。
他にも由利徹なども出演。仕事が無くなり漁船にのるという人も案外多いようだ。
彼らのドラマこそが話の本筋だが、面白いのがクジラ漁船のリアルな生態だ。フィクションではあるが、ちゃんと水産業の協力が有り今では見れなくなった船上の生活や漁の仕方などがこと細かく描かれている。
この点がまるで記録映画のように素晴らしい。この直後から捕鯨禁止になるのでまさに貴重な映像だ。
何となく、捕鯨は槍もってブッさすみたいなのをイメージから脱却できなかったもんな(侍ジャイアンツのOPの影響だな)
ドラマ部分は正直なんてことは無いし、ステレオタイプなキャラクターではあるのだが、やはり捕鯨船に関する詳細がコレほど克明に描写されると話の説得力が変わってくる。
リアリズムが上手く作用した好例だと思う。
捕鯨という失われた文化の記録としても非常に価値のある映像だと思う。