安堵霊タラコフスキー

ショック集団の安堵霊タラコフスキーのレビュー・感想・評価

ショック集団(1963年製作の映画)
4.9
youtubeで予告を見たときから興味深々だったのだけど、実際見てみると案の定の力作っぷりに感服

精神病を演じて精神病院でとある犯罪の犯人探しをするミイラ取り的主人公がミイラになる話で、わかってはいたけど後半になるにつれ主人公の行動が狂人のそれと化していく様はそれだけで中々衝撃的だったけど、演出でも狂気の世界を魅せてくれるのがさすがサミュエル・フラー

テープで録音したようにこもったモノローグやオペラを歌うデブに象徴される音の演出、恋人のコラージュの夢やエキゾチックなカラー映像のような視覚の演出で狂った感覚を描写していくのだが、特にラスト付近で主人公も他の精神病患者同様にカラーの風景を見るような描写を用いることで、主人公が本格的に精神を狂わせたことを表していたのにはハッとさせられた

ちなみに一番印象に残ったのはパッケージにもある性依存者の女共に主人公が襲われるシーンで、一人の女患者の歌声に合わせて襲いかかる女共はさながらエヴァ2号機を喰らう量産型エヴァの如くだったけど、もしや庵野秀明はこの映画へのオマージュとしてあのシーンを描いたのでは?