たむランボー怒りの脱出

甘い罠のたむランボー怒りの脱出のレビュー・感想・評価

甘い罠(2000年製作の映画)
3.5
エンディングのカメラワーク。何かダグラス・サークの映画で屋敷を写したカメラがグイーンと引いていって敷地外に出て門が閉まって終わる映画があった気がする(『風と共に散る』だったか、増村保造の『暖流』がそうだったことは覚えている)が、そういう時間の流れ方、もう映画が終わってることが分かってるのにまだ画面は続いてる感じ。三宅唱の『夜明けのすべて』はどうかと言われるとあれもエンドロールのバックで画面は続いてるけどちょっと違う。シャブロルのこれはもっとぬるりとエンドロールに移行する。『沈黙の女』などでもこういうことをやっていて、個人的にかなり好きな手法。大阪の新世界にある東映がやってる昔ながらの映画館があるけど、あそこでやってる映画は全部往年の東映の作品で、最後にエンドマークが出る数秒前くらいからもうすでにカーテンが動いてスクリーンが閉ざされてしまう、場合によってはまだストーリーが動いてるのに。シャブロルの「画面がまだ続いてるのにエンドロールを出す」という手法はそれと似ている。この謎のせっかちさみたいなものが個性として効いている。