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座頭市のlarabeeのレビュー・感想・評価

座頭市(1989年製作の映画)
3.6
【史上最大に不味い味噌汁】

観た事無いのに知ってるツモリでいるシリーズ。やはり観ないと語れないよな。

勝新と言えば「座頭市」。勝手にギラギラした剣豪、非情だが腕の立つ盲目の剣豪だと思ってたら違った。腕の立つ盲目の剣豪である事は間違いないのだが、普段から非情でギラギラしてる訳では無い。

普段はヘコヘコして腰の低い市、そういう人物だったとは全く知らなかった。勝新と言えば破天荒で自分勝手で傍若無人という印象が強い。が、さすが昭和の名優、ヘコヘコしたシーンも完璧に演じ切っている、ヘコヘコに違和感が無い。

だからそのフリが効いているから一旦スイッチ入った市のカッコ良さがハンパない。常に尖ってピリピリしてるより、逆に市の凄さが際立つ。普段は殺気を完全に停止できる凄さ。

脇を固める役者も大物ばかり。緒方拳、片岡鶴太郎、陣内孝則、内田裕也、樋口可南子。そして座頭市の相手役に勝新の息子、雁龍太郎。いい役もらってるのに事件が起こったり因果なのかねぇ。

勝新自身もコカイン所持が発覚したりとコンプライアンスが束になっても敵わない作品になってしまう。

そんな事もさておき、ヘコヘコからキレッキレの市を観るだけで価値がある。勝新が何故すごいのかがわかる作品だった。

ところでヘコヘコって何?(笑)
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