なにもここまで見なくても、とは思ったものの、逆に見るなら今しかないと思い、66年版元祖『バットマン』の劇場版を鑑賞。
TVシリーズは見ていたけど、この劇場版をちゃんと見るのはたぶん初めて。
今見ておもしろいか(?)と聞かれれば、懐かしさしかないんだけど、『ダークナイト』しか知らないような人には、元々バットマンってこのくらいのゆる〜いヒーローだったんですけどって、知ってもらうにはいいかもしれない(笑)。
TVシリーズでは毎回交代でバットマンを苦しめていた悪役「ジョーカー」「ペンギン」「ナゾラー(リドラー)」「キャットウーマン」4人が、劇場版では悪の軍団「UNITED UNDERWORLD 」を結成!
って言うといかにも劇場版ぽくて豪華に聞こえるけど、やることなすことゆるゆるで緊張感とか迫力とか無縁。
殴ると “POW” とか “WHAP” とかコミックみたいに擬音が字になって飛び出すポップな戦闘シーン。
逆にこれがバットマンだと思ってたオールドファンがティム・バートン版の『バットマン』を見た時のカルチャーショックときたら大したもんだったのですよ。
まず襲いくるサメちゃんに大笑いし、
ペンギンの潜水艦とかめっちゃかわいいし、
ペンタゴンがミサイルを積んだ潜水艦を払い下げてるって設定がもうイカれてるし、
爆弾を捨てるところがなくて右往左往するバットマンなんて大笑いだし、
さらにこのおかしな終わり方。およそコミックスのヒーローものの映画とは思われない。コソコソ逃げていくバットマンとロビンって、
この監督、どういうつもりで本作を撮ったんでしょう?
でもラストシーン前のロビンの提案も、ラストシーンも、公民権運動が盛んだった66年当時で考えれば、かなり踏み込んだ問題提起をバットマン映画に入れちゃったのかもしれない。