tq1chi

MEMORIESのtq1chiのレビュー・感想・評価

MEMORIES(1995年製作の映画)
4.1
”これは彼女の思い出だ”

”思い出は逃げ込む場所じゃない”

”ちょっと待ってくださいね 課長”
”今出ますから”

”臭い”

”撃ってくるよ”

”ねえねえお父さん”
”お父さん達はどこと戦争してるの”

大友克洋が総監督を務める3本のアニメが入ったオムニバス形式の作品。
どれも面白かった。
まず1作目の「彼女の思いで」は脚本にあの今敏が参加。今作からも今敏らしい虚構と現実のせめぎ合いが楽しめた。映像や美術の美麗さはさることながら、場所が場所なだけにどこか退廃的でミステリアス。オペラが流れる演出もまた然り。主人公達の職業が宇宙のゴミ拾いという、無さそうな世界観での有りそうな設定が楽しい。特にsosを受信し救助に行く際、身分証と共に救助を記録に残すシーンが印象的。
2作目の「最臭兵器」も面白かった。試作品の兵器を飲んでしまったがために死に至るレベルの臭いを身体から出すようになってしまったサラリーマンのなんとも言えないゆるさ、そしてそれと対照的なミリタリーな展開のギャップがシュールで面白い。
おならだよねあれ。
最終的なオチもなんだかんだで仕事をこなすことに尽力するサラリーマンらしくてしっくりくると共にクスッと笑える。
3作目の「大砲の町」も面白かった。
エンドロールにスタジオジブリの名があるように、どこか絵本のような不思議な世界観での人家族の話が楽しめる。
その世界観、大砲発射にむけてのシークエンスの細さ、可愛らしいながらも少し不気味な絵柄が楽しい。
カメラワークというか構図の動かし方が巧みで、町全体が一つの大きな機械のようになっている様子が臨場感たっぷりに演出されていた。
しかし物語そのものは、町という機械を動かす小さな部品のような小さな一家族のいつも通りの一日、というのに落ち着いているのも面白かった。
3作どれも個性があって面白く、一つ一つが30分程度で短いので変に構えずにゆったり観れるのもいいところ。
お気に入りは2作目の「最臭兵器」。

op良い

音楽良い

絵柄は一本目も好きだな
攻殻機動隊っぽい
tq1chi

tq1chi