一人旅

恋愛日記の一人旅のレビュー・感想・評価

恋愛日記(1977年製作の映画)
3.0
フランソワ・トリュフォー監督作。

女狂いの男ベルトラン(シャルル・デネ)が経験する数々の恋愛を描く。
ベルトランは女性を愛するためだけに生まれてきたような人間で、行き交う女性の脚をまじまじと見つめ、即座に評価を下す。気に入った女性がいればストーカーとも思えるような方法で接近を図り、いとも簡単にモノにしてしまうのだ。
全ての男がベルトランのような性癖の持ち主だと思われても困るが、女性の脚線美に絶対的な魅力があるというのは否定できない。「後ろ姿が美しい女性を前から確認して幻滅することに安心感を覚える」というベルトランのセリフも男の心情を的確に捉えたもので妙に納得してしまう。
女性からしてみればベルトランのような異常な女たらしは嫌悪の対象になり得る。だが、ベルトランは出会う全ての女性に敬意を払い、ぞんざいに扱うことは一切しない。相手に失望されることはあっても、自ら相手を使い捨てるようなことはしないのだ。例え命を狙われたり性病を移されても、それは自身の行いが招いたことであると潔く認めている。理想の女性を追い求め続けた末に虚しく散っていったベルトランだが、その生き方には一貫性があり、ある意味男らしいのだ。
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