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L.A.コンフィデンシャルのAYAのレビュー・感想・評価

L.A.コンフィデンシャル(1997年製作の映画)
4.1
"事件の真相"とか、"黒幕が誰か"はこの際関係なく、3人の男たちの"正義"が一つの事件によって変わっていく様が描かれている素晴らしい映画でした。
確実に私のオールタイムベストです。

(あらすじ)
ミッキー・コーエンの逮捕により、縄張り争いが激化した50年代L.A.。街のコーヒーショップで元警官を含む、6人の男女が惨殺される事件が発生した。 
殺された刑事の相棒だったバド(ラッセル・クロウ)が捜査を開始。殺されたウェイトレスと一緒にいたブロンド美人リン(キム・ベイシンガー)に接近する。
同じ頃、ベテラン刑事のジャック(ケビン・スペイシー)は麻薬を扱う"白ユリの館"という場所を調べることとなる。
事件の副指揮官である野心家の若手エリート刑事エド(ガイ・ピアース)も事件を追い、容疑者を射殺。事件は解決したかに見えたが、彼ら3人は底なしの陰謀に巻き込まれていく。

バドにとっての正義は、職権乱用と思われるほどの激しい制裁を自らの手で加えることでなされる。
ジャックの正義は、刑事でいるのに必要とされている上辺だけのものである。
エドにとっての正義は、自分の利益になりそうな事件を解決すること。

三人とも形は違えども、正義は正義なのだとこの映画で思い知らされました。

注目して頂きたいのは、『眼鏡』
エドが上司のダドリーに「刑事課に配属されたいのなら、その眼鏡を外すんだな。」と言われる。
眼鏡は真実を見極めるためのファクターとしての比喩だったのかなと勝手に解釈しました。

最後のロロ・トマシに背中から発砲するシーン。なぜか嬉しくなっちゃって、笑ってしまいました。
不謹慎でごめんなさい。

この映画には無駄なセリフが一切なく、登場人物たちの心情が全くわからないのですが、彼らのしていた行動こそが気持ちの表れだったのだなと思い、その表現力の豊かさに感動しました。

「丸腰で背中を向けた犯人に、引き金が引けるか?」

名誉のバッヂ/ジャック・ビンセンズに捧げる
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