垂直落下式サミング

THE JUON/呪怨の垂直落下式サミングのレビュー・感想・評価

THE JUON/呪怨(2004年製作の映画)
3.5
『死霊のはらわた』で知られるサム・ライミのラブコールを受け、オリジナル版を監督した清水崇が招かれてのアメリカ版リメイク。日本人監督としては、初の二週連続全米No.1ヒットという快挙を成し遂げている。
大筋は最初の劇場版を踏襲しているが、カヤコ&トシオの登場回数が増えており、やや大袈裟なスプラッタシーンが入るなど、海外向けに若干の変更は致し方無し。
下手に舞台をアメリカに変えなかったのは正解だ。あの日本の住居ならではの「仕切りのなさ」こそが重要で、あそこだから人は呪いに足を踏み入れるのである。
舞台は日本のままキャストを外国人とすることで、住み慣れない国の風土に暮らす不安と閉塞感が漂っており、一度呪いの世界に引き込まれたが最後、二度と抜け出せず逃れられない恐怖がさらに強調されている。
日本的な心霊の解釈を守ったまま、グローバルな客層に対応し得る分かりやすいホラー作品として再構築されていた。
かなり楽しんだのでコメンタリーもみたが、アメリカ人俳優の日本を下に見るような発言にブチキレそう。日本の俳優は演技が下手だの、日本映画は面白いものが少ないだのと、カンヌの審査員をやるような映画人が言うんならわかるが、B級役者風情が何様だ!
かつて『七人の侍』や『ゴジラ』が撮影された東宝スタジオのセットで撮ったことに浮かれていて、アメリカでも公開されて高い評価を得た三池崇史監督の『オーディション』に出ていたってことで石橋凌だけ褒めるなど、ミーハーなくせに偉そうに語りやがる!ムーカーツークーッ!なんだコイツら!うがががが!