ヒノモト

クライム・オブ・ザ・フューチャー/未来犯罪の確立のヒノモトのレビュー・感想・評価

3.4
昨日に引き続き、デヴィッド・クローネンバーグ監督の1970年の自主映画作品。
夏公開の新作と同名タイトルですが、直接関係はないらしいです。

口紅などの化粧品を媒介に蔓延した皮膚病「ルージュ病」により、成人女性の大半が死滅した世界において、その影響が男性にも現れ始めるという中で、どうすべきかというお話。

前作「ステレオ/均衡の遺失」と同じく、台詞は無く、ナレーションによる概要の説明だけで展開していて、ロケーションもおそらく同じ大学内外で撮影されているようです。
前作はモノクロでしたが、今作はカラー作品となっています。

前作同様、演者の演技にはあまり期待できないですが、今作では主人公自身のモノローグになっていて、シーンとナレーションの内容自体がある程度シンクロしていて、前作よりは若干映画らしい見え方の作品でした。

前述通り、成人女性がいなくなった世界において、男性も亡くなり始めてる中で、どのように子孫を残していくかという流れで、たどり着く先に、危うさのある表現もあるのですが、テーマが分かり易い点で、見やすさは格段に向上しています。

映像効果の実験的要素がまだ強いですが、ナレーション内限定ですが、肉体の変革の要素もあり、後の作品におけるボディホラーの片鱗は見え隠れしていて、ひょっとしたら新作との関連が0ではないかもしれません。
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