NHK BSの『プレミアムシネマ』で鑑賞。
アルカトラズ島の連邦刑務所に入所したフランク・モリス（Clint Eastwood）は、到着早々に施設や職員を具に観察。綿密な脱獄計画を立て始める。かなり頭が切れること、理不尽には憤慨すること、そして名前以外は劇中で全く明かされないモリス。誕生日も出身地も罪状も不明のまま。「厳重警備の刑務所から脱獄できるのか否か」を描くために他要素を排除した、緊迫感とリアリズム溢れる作品。
1962年に実際に発生した脱獄事件を映画化。史実ではFrank Morrisら脱獄犯が本当に成功したのかどうかは不明のまま。本篇でも島を出てからのモリスたちのその後は描かれない。所長（Patrick McGoohan）が見つけた菊の花は単なる漂着物か、それともモリスの置き土産か？ 成功と失敗いずれとも明示しないことで生まれる余韻がいい。
