2022.05.04/100/Abematv
グループサウンズブームの中、マッシュルームカットに白いタイツを履いたフリフリの王子様スタイルでデビューした〝タイツメン〟女の子たちはたちまち夢中になった。
人気の中心は美形のミック。ところが、ミックは女性で、男装をしてメンバーに加入していた。このことがばれないようにして、デビュー曲〝海岸線のホテル〟のヒットを狙うが…。
2008年公開の映画なのに、何故グループサウンズ?ビジュアル系バンドに男の子の格好をした女の子っていう設定にすればよかったのに、懐メロ・GSってなんか時代を読んでいないし、タイツ姿の恰好がダサいし、2枚目のシングルが、よさこい節のGSバージョンって何?翌年の韓国ドラマ〝美男(イケメン)ですね〟は、ほぼ同じ設定なのに、ビジュアルも曲もかっこいいから大ヒット。日本でもリメイクが作られるほど。男装バンドの企画はよかったのに何かもったいないね。
〝海岸線のホテル〟は、橋本淳・筒美京平の最強コンビの曲で、彼らはGSのヴィレッジ・シンガーズの〝バラ色の雲〟やオックスの〝スワンの涙〟、歌謡曲ではいしだあゆみの〝ブルーライトヨコハマ〟、欧陽菲菲の〝雨のエアポート〟などを手掛けたヒットメーカーで、〝海岸線のホテル〟もなかなかいい曲。筒美さんは男の子のような女の子の話ということでイントロは郷ひろみの〝男の子女の子〟で遊んでいる。
カラオケに行くとGSメドレーの〝ブルーシャトウをキミだけに〟を歌うGS大好き世代には、懐かしさいっぱいの青春歌謡映画で、温水さん達の妙な頑張りとラストのサプライズでいいとこを全部持っていかせたのもいい感じ。ただ、栗山千明さんが歌いたかった曲ってあんな曲だったの?タイツメンも栗山さんも方向性が見えない不思議な映画。