感動的な話だが、白人と黒人の貧富の差の現実を見せられた話でもあった。
この映画で違和感を覚えたのは貧しい黒人を裕福な白人が支援するという構図だ。
もちろん、実話をベースにしてるのは理解していて、オアー家は他人にはできない人道的な素晴らしい行いをしたと思う。
しかし、「映画」として、金持ちで裕福な白人と貧しくてスラム街に住んでる極悪な黒人という対比が強調されているように思う。実際に緊張が走るシーンはスラム街にいる場面だ。
これでは凶悪な黒人の街出身の若者を正義の白人が救い出した話と捉えてしまっても仕方がないと思う。
人との関わりにおいて「印象」というものは大切で、裕福な黒人も出てこず、ましてや極悪で貧しいキャラクターが黒人しかいないこの映画を見てしまったら、「黒人=貧しい、怖い」という「印象」が無意識的に刷り込まれてしまう。これも一種の差別なのではと思った。