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子供の四季 秋冬(あきふゆ)の巻のmat9215のレビュー・感想・評価

4.0
春夏の巻で頭出しされていた大人たちの事情がついに子供たちの日常に翳りを投げかけ、フェードアウトとフェードインで接続される場面展開も重くなる。それでも前作同様、子供たちは海鼠壁の町を走り回る。繰り返し描かれるうちに、観る者も海鼠壁の家並みや河沿いの道やいくつもの橋に馴染んでくる。橋は大人たちのドラマの舞台ともなる。学校時代に仲良しだった吉川満子と若水絹子が橋の上で無言ですれ違う場面の悲しさ!悪役の老獪が眼疾を患い、それが次第に悪化していく様が丹念に描かれるのは因果応報の定めか。
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