半兵衛

アイアン・ホースの半兵衛のレビュー・感想・評価

アイアン・ホース(1924年製作の映画)
4.2
実際にあった鉄道線路建設の物語をプロジェクトX風ではなく、極上の娯楽映画として作り上げ成立させてしまうジョン・フォードはやはりただ者ではない。

個性的なキャラクター、荒くれ者と彼らより強い女たち…。一見大事業とは無縁の人たちだからこそ、彼らが国家的プロジェクトに力を貸す姿に胸を打たれてしまう。色んな物をぶちこみすぎて肝心の建設パートは端折り気味なのに、ラストの完成シーンには涙が出そうになった。

アクションシーンも100年前とは思えないダイナミックさ。特に後半、インディアンに襲撃される機関車を救おうと主人公たちが駆けつける一連のシーンはテンポの良さも相まって最後まで興奮して見てしまった。それまで酒場でわいわいやってた荒くれ者たちが必死になって敵と戦っているのが最高。特に主人公が父の仇を見つけてからの神がかり的なテンポ!

そして鉄道の完成と主人公がヒロインと結ばれるのを並行して描くラストの演出が素晴らしい。

インディアンの馬による襲撃や「赤い河」に匹敵する牛の大群など、動物を使ったダイナミックな映像が大迫力で映画的興奮をもたらす。
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