このレビューはネタバレを含みます
「(ムクッ)トイレに行きたい」
「行けよ、手伝いがいるのか?」
ああいう寝呆けた奴いたなぁ。笑った。
くだらないゴミ箱バトルも最高。
さながらマフィアの青春映画という趣きに、自分が全く体験していない世界の話でありながら郷愁を感じるところもあって、不思議な感覚を得られる映画でしたね。この年齢になってから観ると特に。
しょっぱなの「ビー・マイ・ベイビー」をBGMにしたムービーからして、青春真っ只中という感じ。
普通のギャング映画では感じられない微笑ましさを感じたなー。
スコセッシ監督が「個人的な映画」と言う通り、観客にメッセージを伝えることより、
「俺はこう悩み、行動をしてきた」ということを表現してるんでしょうね。
ごく個人的なことを書く作品は本当に面白い。
メッセージなんて、集約すれば数パターンしかないけど、個人の経験は人間の数だけあるからなのかもしれない。
スコセッシ監督は、
「私たちの世界では街のゴロツキと教会が力を持っていた。」と言っている。
それらは相反するものなんだけど、
人間の両面を一人で抱え込んでいたのが主人公のチャーリーだった。
たびたびインサートされる街の祭りの様子は、ごった煮のような彼の心の複雑さを表してるようでもありましたし、
そもそも誰しもがパーソナリティにラベリングなんてできないですから。
だから、どっちつかずで未熟さも滲むチャーリーに共感できたところはあるのかもしれない。
自分の罪滅しのためにジョニー・ボーイを庇い続けてることが、全体の被害を大きくしてるというバランスの悪さもちょっと笑えますw