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動乱のtheocatsのレビュー・感想・評価

動乱(1980年製作の映画)
2.7
タイトルだけでは察しがつかなかったが、2.26事件に到る軌跡とその後に加え、決起リーダー格:宮城大尉(高倉健)と訳あり女:吉永小百合の切ないラブロマンスが描かれる。

結論から言えば、クーデター描写も恋愛描写も共に抑揚と締まりに欠け、茫洋とした凡庸さのみが印象に残された。

製作意図としては高倉と吉永の悲恋ロマンスにより重きを置いていたような雰囲気が感じられ、皇道派将校たちがクーデターを起こす必然性・ひっ迫さがあまり伝わってこなかったために、タイトルでもある「動乱」の激しさ・過酷さが不当に沈静されてしまったかのよう。

個人的には正直消化不良ではあるが、高倉・吉永ファンはもちろんのこと、昭和大作ロマンを味わえるという点ではそれなりに見る意義はあるかもしれない。
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