半兵衛

華の乱の半兵衛のレビュー・感想・評価

華の乱(1988年製作の映画)
2.7
深作欣二をもってしても自分なりの美人路線を貫く与謝野晶子役の吉永小百合の凛とした姿は凄いけれど、やはり他の役者と比べて少し違和感が。まあ彼女以上に違和感がある松井須磨子の松坂慶子がいるので問題はないのだけど。

ただ深作欣二監督の文芸映画すべてに言えることだけど、登場する人間がみな大声で喋ったり動きまくったり躍動感がありすぎて&監督のアクションのそれと変わらない動き優先の演出により文学臭が一切無いので出てくる作家がみんなアクション映画の登場人物にしか見えないので題材が台無しになっている印象に。深作欣二監督自身は文芸に造詣が深い(日大の文芸学科出身)のはずなのに、なんでこうなってしまうのかしら。その中で松田優作の有島武郎は頑張っているけれど、それが逆に他の人と浮いているのがね…。

有島武郎がバイクに乗って現れる場面は好きだけれど、これもアクション演出が秀でているのでますます文芸の印象が遠退く。

あと無理矢理なエロ要素としての松田優作と吉永小百合の空想の絡みは不要だな。
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