醤油屋の弟子

ゾラの生涯の醤油屋の弟子のレビュー・感想・評価

ゾラの生涯(1937年製作の映画)
3.2
19世紀フランスの小説家であるエミール・ゾラの生涯を描いた作品でドレフュス事件をメインにした映画で第10回アカデミー賞作品です。

映画は、ゾラが小説家として活躍する一方、社会問題に関心を抱き、自らの言葉で社会正義を訴える姿勢を描いています。ドレフュス事件に関するゾラの行動には感動します。彼が真実を求め、差別や不正義に立ち向かう姿勢は、勇気や決意をもらえるものでした。

ただ、フランス人の行動が気になりました。軍部がドレフュスをスパイとして告発し、裁判で有罪判決が下された際に、多くのフランス人が団体でドレフュスを非難したり、ゾラが新聞に軍の批判的な記事を載せたことを団体になり批判した事です。つまり、当時のフランス社会においては、国家や軍事に対する忠誠心が非常に強く、反体制的な立場をとることは社会的に非常に難しいものであったのだと感じられます。

私は今のフランスを良く知りませんが、ゾラのような作家や思想家により、社会的な不正や差別に対して、積極的に批判する姿勢を示したことで、社会の変革がされている事を望みます。