パリに住むゾラ(ポール・ムニ)は小説家として成功して貧乏生活から抜け出す。やがて、ドレフュス大尉(ジョセフ・シルドクラウト)が軍の不正による冤罪で囚われ、その妻に請われて世論を動かそうと、“われ弾劾す” という大統領に向けた公開状を新聞に投稿する。
「恋の十日間」「旅愁」と恋愛モノのイメージが強かったウィリアム・ディターレ監督による、骨太な伝記映画。
フランスなのに英語かよとか、序盤の芝居が学芸会みただなとか気が散ったけど、後半のポール・ムニはまさに名演。特に裁判での演説は力強くて説得力あった。
かなり史実に沿っていて、自由と正義に燃えたゾラの生き様がカッコいい!
富と名誉を手にしたら、どうしても安定と安全を求めちゃうけど、そこで立ち上がるのが英雄だ。
彼が立ち向かっていくのは、国と軍のために個人を平気で切り捨てる人間の集まりだ。そこから戦争が始まることにもしっかり言及していて、今もそんな人たちのせいで戦争が終わらない。
「オフィサー・アンド・スパイ」も観なければ。