Nonson

サムサッカーのNonsonのレビュー・感想・評価

サムサッカー(2005年製作の映画)
5.0
 『指しゃぶり』が癖の青年。その癖が発端となり、両親や学校、周囲との関係に歪みが生じていく。これは病気?治さなきゃいけないこと?原因は何?・・・それにもし、これが病気じゃなかったとしたら?


 映画内でも悪癖として家族や歯科医にも指摘される『指しゃぶり』みたいに、それをしないと集中できない、気づけばやってしまう、決して他人には言いたくない癖をコンプレックスに持つ人がいる。
 話すときは手も動かさないとうまくしゃべれない人、考えている時は口元を触っていないと集中できない人、寝る時には足に何か触れていないと眠れない人。
 そういったことに悩んだ経験がある人は、是非この映画を見てほしい。『指しゃぶり』に悩み、それを克服した青年はどうなるだろう。その結果を受けた青年はまたさらにどうするだろう。また映画の結末ではどうなるのか。是非自分の経験に照らして考えてみてほしい。きっと面白く見る事ができるはずだ。

 劇中、「人は皆、何かに依存している」という内容の台詞があるが、これは癖についてもそうなのだろう。癖もまた依存なのだ。依存を治した先にあるのは別の依存。依存を治しきることは難しい。僕らは完全無欠にはなれない。何処かでその依存を受け入れなきゃいけないんだろう。その勇気を、一人の青年の笑顔からもらえる気がする映画だ。
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