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クライング・フィストのmylifeのレビュー・感想・評価

クライング・フィスト(2005年製作の映画)
4.4
「クライング・フィスト」を再鑑賞してみた。当時に、一度だけ観て、猛烈に感動した覚えがあるのだが、今観ると…どうなるんやろうの巻。リュ・スンワン監督の作品。

主演は、唯一無二のオーラを放つチェ・ミンシク。そして、もう一人。目付きの悪いリュ・スンボム。フムム…「容疑者X」の主人公やったのね。いやはや、驚いた。全くの別人やん。

何気にスポーツを題材にした作品が観たくなった気分。でもどうせなら、ドラマ部分も秀でたものが欲しくなったワケで。どうしようもないくらいに落ちぶれた二人の男の哀しき物語。

とりあえず、それぞれの目線で淡々と進む。一切、交わるコトなく別々の目線でストーリーを刻んでいく感じが少し真新しいかも。過去の栄光は見る影も無くなった銀メダリストのテシク。根っからのチンピラ気質のサンファン。

そんな荒れ果てた二人を唯一、繋ぐモノ…それが、ボクシングなのである。二人のバックボーンが重くて人生の再起をボクシングに賭けるような展開に自然と引き込まれる。

決して、キラキラしたような青春要素があるようなスポ根では無いが極限まで追い詰められた二人の熱きバトルがココにはある感じ。

目指すはボクシングの新人王戦。後半の残り時間が少なくなっても、まだ出会うコトの無い二人は同じ目標を糧に想いが交錯していく。

40歳vs19歳。

遂に対峙。言葉では交わさないが拳で語るボクシング映画。それぞれの内に秘めたる想いを拳に乗せて…みたいな。どっちが勝ったかなんて全く覚えてはいなかったけど勝敗は、むしろソコまで重要ではないかな。

想いを乗せた拳は強い。観ている、コチラの涙腺をノックアウトされた気分。やはり、今観ても良かったのだ。まさしく…泣拳のイメージで合っていた。
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