このレビューはネタバレを含みます
先日数年ぶりに見るとほとんど何も覚えていなくて完全に楽しめた。
映画最後まで見終わり、全て彼の物語だったことを知ると、一本の映画としての完成度がかなり高いと思える。
戦争を経験した人や精神病棟にいる人の間ではこんな話はきっとありふれていて、ひとりひとりの人生が映画になりうるほどの衝撃的な現実がこの世にはたくさんあるんだろうな。
村上春樹と河合隼雄の対談で、フィクションはいつも現実より弱いと言っている。
この映画の中でホロコーストのシーンがある、歴史的事実がフィクションの中に織り込まれていることに少し抵抗を感じたが、これは現実の問題なのだというメッセージであるのかもしれないと思った。
ロボトミー手術で失われるのは人間のどの部分なのか、人間が理性を持ち続けて、向き合うべき現実は何なのか。