ヤフー映画難民

アメリカン・ヒストリーXのヤフー映画難民のレビュー・感想・評価

アメリカン・ヒストリーX(1998年製作の映画)
4.5
超名作。

観る前はジャケット画像やタイトルから、なんとなくマフィア映画っぽいイメージがあったけど、実際は人種差別に真正面から向き合った映画だった。

人間は他人の意見・情報に振り回され、それがいつの間にか自分の考えになってしまっている。
それはただの洗脳であり、本当の自分の意見は何なのか?に気付くまでのストーリー、という感じだろうか。

回想シーンの使い方が効果的で、最初から最後まで夢中になって観れた。

中でも特に良かったのはやはり、刑務所で同じシーツ係だった黒人・ラモントの存在だろうか。
最初は「こいつ、めちゃ喋るやん」くらいの感じで観てたが、主人公がついに笑ってしまったあの喋りで私も笑ってしまい、彼に心を開いてしまった。
そして、出所時に判明する男の友情みたいなものにはジーンとさせられた。
熱い展開。
主人公が考えを改めるには十分すぎる理由だろう(ラモントがテレビ泥棒にも関わらず6年もくらったという差別も含め)。

ラストは衝撃的な展開を迎え、この問題に対するハッキリとした結論は示されないが、それでもこの問題を解決するために必要な考え方のヒントやメッセージは提示されていて、それは観る者の心に強く問いかけ、余韻となって残る。

素晴らしい映画だった。