のんchan

家の鍵ののんchanのレビュー・感想・評価

家の鍵(2004年製作の映画)
4.3
沁みた🥲堪らない😭
良質のイタリア映画、父子のヒューマンドラマ⭐️

冒頭、ミュンヘンの駅で男性2人の会話から始まる。会話の内容に怪訝さを感じさせたまま導入していく...
ジャンニ(キム・ロッシ・スチュアート)は若い時に恋人との間に産まれた息子がいたが、恋人は出産と同時に亡くなり、息子は障害を持って生まれてしまった。
医師からその現実を聞いた途端、息子の顔も見ないまま責任を放棄して逃げ出した父親だったのだ。

駅で会った男性は恋人の義兄で夫婦で息子パオロを育ててくれていたが、この度、ベルリンのリハビリ病院でしばらく検査入院することになり、医師の言葉「実の父親と会うことでパオロの障害に良い結果をもたらす」と告げられた為、甥を15年ぶりに実の父親と対面させてベルリンへ2人で行くように託したのだった。

15年ぶりに出会う父子。
ジャンニは手探りで関係を模索する。次第に芽生えてくる感情もあれば、息子の障害という重い現実が突き刺さる。向き合っていかなくてはならないと思う自分と、逃げてしまいたいと思う自分。

息子の病院で、同じ境遇のニコール(シャーロット・ランプリング)と出会い、少しづつ話しをする内にジャンニの心境の変化が訪れる。

しかし2人の関係が良好になってきたかと思えば、また問題が降りかかってきたり。
完全に父親が悪いとは言いきれない切なさがこのドラマにはある。
ラストのジャンニの涙😭パオロの抱擁が切なくも美しすぎる✨


キム・ロッシ・スチュアートは、ケイシー・アフレックを更に2枚目にした長身という感じ😆あまりに甘い顔で始めは違和感を覚えたけど、その甘さが15年も会わずにいた父親の弱さと、そこから悩み考えてこの先一緒に生きると決心してゆく強さを、表情の変化で巧みに表していて気持ちが伝わって来た。

そして、実際に障害を抱えているパオロ役の子役が上手い👏

この作品の重要な存在は芸達者なシャーロット・ランプリングに尽きる✨
ジャンニの心境をズバリと言い当て、障害を持つ子供のいる親同士として、20年以上の経験で、時にバッサリ斬り込み、これからの覚悟を諭してくれる。


出逢えて良かったと思える作品でした😌
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