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パプリカのyksijokiのレビュー・感想・評価

パプリカ(2006年製作の映画)
3.9
テンポが良くて90分というミニマルな分数の中でダイナミックなストーリー展開とリズム感の良さが素晴らしかった。インセプションが大好きなので本当にこういうテーマは大好きだし面白かった。

夢と現実、生と死や秩序と欠如など二面性のある対立する構造をアニメーションらしくエキゾチックに描いていて本当にテーマパークのような世界観でこの世界観に魅了された。あとはトラウマとか二律相反とかそういうテーマもしっかりと表現していて奥深いというか色々なトピックが入っているなという感じがしてとても良かった。

メインストーリーのわかりやすさと裏腹にセリフとワーディングの難読さがあって特に夢の中での言動は意味不明なものが多くてそこも魅力的だった。夢を通して社会とか日本へのアンチテーゼとか意味をこめたくなりがちな中でそういうものを入れることをせずに人の夢そのものにテーマをフォーカスしているのはGoodだった。

カーペットがぐわんぐわんなるとことか地面に吸い込まれるように落ちるところとか夢の中の表現もたくさんあってアニメーションだからこその表現の幅の広さがすごく良かった。

パプリカのセリフとかハッとさせられるようなセリフも結構出てきてそれもすごく刺さった。

「いつでも自分が正しいわけじゃないでしょ」
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