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死の棘のkukemaru6のレビュー・感想・評価

死の棘(1990年製作の映画)
4.0
原作未読。読まなきゃと思っていますが、先に映画をみました。

この夫婦には、不穏と絶望感しかなく
罪なき子どもの無邪気さをみても暗さは拭えなかった。

旦那の不貞行為を絶対に許さない妻。
少しまともになったかなと思っても、すぐ過去の不貞を思い出して旦那を詰問する感じは、それだけ囚われているのだろうし、なんとも言葉にできない気持ちになる。

旦那の不貞があった場合、一度相手に怒りをぶつけにぶつけたら蒸し返えさないこと、それが結婚生活を続ける秘訣。となんかで読んだことがあるが、そんなのことごとく幻想なんだと思わせる。そう考えると詰問、責め続けるミホ婦人は精神病じゃないんじゃないかと思ったり。
旦那の岸部一徳もおかしくなってしまうし(でも、ギリギリ平穏な装いを保つ)

狂気を感じる演出も見事だし、セリフの言い回しも特徴的。アイツ呼ばわりされる不倫相手。随所言葉の品位がなくなってるのも人間を露にしてる。

終始不穏な映像、音響もかっこよかったりする。

旦那さんの日記にあった、妻はフグの記述。気になる…

追記
何でかまっちゃんのコント(ビジュアルバム)を思い出させるシュール感。
何かを通り越してしまうと、喜劇に見える不思議。
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