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幸福(しあわせ)のkukemaru6のレビュー・感想・評価

幸福(しあわせ)(1964年製作の映画)
4.3
内容はさておき、人物と人物、人物と物との撮り方が、凄い素敵なシーンが随所にあった。特に愛人との逢瀬のとき。
きっと只者ではない監督なんだろうなと思った。

古い映画なので、現代の倫理観で考えたら、完璧アウト過ぎ。でも、これは映画でフィクションだから…。

ここまで恵まれた幸せってないだろうな、という様子が画面いっぱいに広がっているところからスタートする。疑う余地のない完璧な幸せ。美しく気立がよく、洋服の仕立てのお仕事も持つ、奥さん。職人ぽい旦那さん、かわいすぎるこども。ピクニック。眩しい。

でも、旦那さんが平然と不倫に走ります。
自己肯定感の鬼みたいな人で、奥さんと愛人どっちも愛してるーとのこと。罪の意識は、ストロングゼロ。
女性陣も負のエネルギーやら嫉妬もなく、ドロドロした愛憎劇は始まらない。

ただ、あまりにも悲しい出来事が起こる。筆舌に尽くしがたい出来事が!

旦那は、奥さんを愛したから悔いがないのか。なんなのか。

最後まで大人向けメルヘンを見せられている気持ちになった。死は悲しさを伴わないのか?とまで思ったよ。

でも、観てる私は悲しかった。
一言、旦那に言いたい。
そんなんでいいんすか⁉️
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