ねぎおSTOPWAR

ベストセラーのねぎおSTOPWARのレビュー・感想・評価

ベストセラー(2010年製作の映画)
5.0
《小説の盗作》がこのお話のひとつのKEYなんですが、そもそもちょい既視感あるかなー😆
まあでもひとつの作品としては重層的でなかなか良いですよ!
この後「さまよう刃」「ビースト」を撮ることになるイ・ジョンホ監督。
「さまよう刃」は東野圭吾原作のリメイクで、「ビースト」はフランス映画のリメイク。特に「ビースト」はとても良かった記憶。・・その監督の長編デビューなわけですが、暗い画面がお好きというか得意なんでしょうね。今作もホラー的、サスペンス的な空気が漂います。

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お話はまず有名作家ヒス(オム・ジョンファ)を襲う盗作疑惑から始まります。
審査員をしていた時の受賞作だから読んだことがあるはずだ!・・と。
そして再起をかけて田舎村の湖畔の別荘に娘を連れてやってきました。そこで新作を書こうとしますが娘ヨニがその洋館にいるお姉さんから話を聞いていると言い出します。最初はうるさく思っていましたが、どうやら小説のネタになる!と、ヨニづてに聞いた話を書き、それを出版。大ヒットするのですが、またしても盗作疑惑が!・・・

そこから話は二転三転ムーンサルト!
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オム・ジョンファさんはその特性がさらに生き、チョ・ジヌンさんはデムーロアプローチならぬチョジヌンアプローチとでも言うか、見事な役づくりと演技。
2004年から映画出ていますけど、今作で「新人賞」獲得しました😆

とにもかくにも(毎度指摘して恐縮ですが)編集がシン・ミンギョン女史なんですよー。
ちなみに冒頭書いた「ビースト」もそうなんです。「さまよう刃」は別の女性が編集しています。ホントにシンミンギョン編集作品にテンポの悪い映画はない。とりわけ今作のような「いったい何が真実なのっ!?」みたいな作品って伏線というか情報をどのくらいどこで見せておくかとかってとっても重要ですよね。下手すると説明的でつまらなくなり得るし、逆に意味が分かりづらいものにもなり得るわけで。
まあみなさんも観ていただければ、この映画の恐怖と、真実のカタルシスと「うえええっ!」というドンデン的なものに喜んでいただけると信じます。


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