戦闘場面なき戦争映画という趣旨は理解可能
ではあるけれど本映画は明らかに失敗作。
戦争の無慈悲で硬直した不条理性を役所の業務に置換し戯画化した意図は分かるが、であれば弛緩した空気感が徐々に逃れようのない戦争の狂気・緊迫感と殺伐さを帯びるよう、厳しい演出をすべきだったと私は思う。
最初から最後まで緩み切った空気感の中、役者の演技とセリフだけで隣町と戦争中なんて言われてもこちらには何も伝わっては来ず、下手な舞台劇を見せられている気分にさせられるだけだった。
※いや役者陣は監督の不適切な演出にもかかわらず最善の演技をしようとしていたのは間違いないだろう。
加えて、戦争の不条理を訴求する劇なら変なラブロマンスなんて盛り込む必要はなかった。
原田知世は本作の中では演技的に健闘していたけれど、徹底的に役所戦争業務を遂行する「鉄面皮の女」的設定がなされていれば良かったのにとも思う。
新奇な試みは肯定したいが、それだけに本作の弛みっぷりはただただ残念でしかない。
1.5倍速視聴で上の評価なので普通速だと間違いなく殺気だっただろう。笑
1.0の一つ星
どうやら愛媛ロケのようだがロケ地の雰囲気はとても良かった。
002011