HAYATO

ドゥ・ザ・ライト・シングのHAYATOのレビュー・感想・評価

ドゥ・ザ・ライト・シング(1989年製作の映画)
3.7
2023年476本目
監督・脚本・制作・主演を務めたスパイク・リーの出世作
ブラックムービーの金字塔
バラク・オバマが妻のミシェル・オバマと初めてのデートで見に行った映画らしい。
主人公の黒人・ムーキーは、ブルックリンのイタリア系アメリカ人が経営するピザ店で働いていたが、ある日、ピザ屋で起こった揉め事がきっかけとなり、異人種間の衝突が発生してしまう。
スパイク・リーらしいノリノリのサウンドトラックとユーモアを交えつつ、序盤から終盤にかけてブルックリンでの日常が淡々と描かれていくが、崩壊寸前だった人種の軋轢が、些細ないざこざをきっかけに、一気に爆発してしまう様が描かれている。
異人種間の問題だけでなく、家族や恋人等の様々な間柄の対立、茹だるような暑さといった人々のイライラを掻き立てる要素があちらこちらで見られ、色々な要因が複雑に絡み合って暴動が起こってしまったのではないかと思う。
黒人、白人、移民、それぞれに言い分があることが十分に理解でき、「誰が悪い」と一概に言えないからこそ、タイトルにある”Right Thing” とは一体何なのだろうと考えさせられる。
本作の公開からおよそ35年がたった今、未だ人種差別が残っていると言わざるを得ない現実にやるせない思いを抱く。
エンドロールで流れるマルコムXの言葉は、すごく胸に響いた。
なんとなくサミュエル・L・ジャクソン出てきそうだなと思ってたら、ほんとに出てきた。
名作ドラマ『ブレイキング・バッド』で、ガス役を演じたジャンカルロ・エスポジートが出演しているのが嬉しい驚きだった!
HAYATO

HAYATO