さく

ドゥ・ザ・ライト・シングのさくのレビュー・感想・評価

ドゥ・ザ・ライト・シング(1989年製作の映画)
4.0
タイトルにある”正しいこと”とは何か。先代の偉人たちが説いてきたさまざまな”正しいこと”から自分がどう選ぶか、ってことなのかな。

作中にも出てくる偉人2人、暴力は更なる憎悪を生み出すだけで解決策ではないと説くキング牧師と、権力者に支配された現状を打開するには全ての必要な”力”を総動員しなくてはいけないと主張するマルコムX。昨今のBLM運動でも未だに論点となっている「暴力vs非暴力」。

ムーキーのラストの行動(暴力)は、そのおかげでサル一家の命だけは守られたと思うから、その視点で見れば正しいことだし、違う視点から見れば絶対に許されざること。BLMデモで見られた暴力も、ぱっと見たら批判せざるを得ない許されない行為かもしれない。でも、見えない部分にさまざまな背景が複雑に入り乱れているし、それ以上の暴力や圧力に今まで耐えてきたに違いない。だから、「差別に対する解決策としての暴力」を真向から批判はできない。

アフリカ系もそうだけど、ラテン系、アジア系、イタリア系、あと女性もあまりにステレオタイプ丸出しに描かれていたのが残念。だけどまあもう30年以上前の作品か、と考えると仕方のないことなのか…。
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