このレビューはネタバレを含みます
映画評論家カーモード氏の2022年ベストで、絶対映画館で観たいと思っていたら、いつのまにか公開されていたので早速鑑賞。
毎日が快晴なトルコの夏、仲良い父娘の旅行、って明るいことづくしなのに、ずーっと不安な気持ちで次に何が起こるのかハラハラしながら鑑賞。それはもちろんあのチカチカする場面（三半規管弱い勢には辛い）が「ただのハッピーな懐かしい夏じゃねえぞ」を示唆してるのもあるけど、それより何よりポール・メスカルが1人になった時に見せる姿が……。meditationや太極拳（写った本で知ったけどTai Chiっていうんだな）でなんとかバランスを保とうとしているのがいつ崩れてしまうのだろう…って時間が経つにつれて不安が増した。
本当に2人の相性が良すぎて、演技している俳優を見ているということを忘れてしまうくらい。実際ソフィー役のフランキーは演技経験ゼロだったかな。
Under Pressure、いつも口ずさんでるのにいざ文字と耳で歌詞をじっくり聞いてみると、こんなにしっくり来てしまうのな。あのダンス場面と、カメラを止めてあちら側のドアへ向かう父の後ろ姿はもう胸張り裂け。近年稀に見る胸が張り裂ける場面。
今の自分と同い年の頃の親ってジャンル（そんなのないか）、「秘密の森の、その向こう」でも心がっしり掴まれた記憶があるので、好きなのかもしれない。「秘密の〜」はファンタジー寄りだったけど、aftersunも当時のビデオを見ながら本当にあったこととぼんやりとした空想寄りの記憶が入り混じったストーリーなんだから、ちょっぴりファンタジー感あるよね。
