tacky

斬るのtackyのレビュー・感想・評価

斬る(1962年製作の映画)
4.3
大映時代劇の担い手だった三隅研次。
その斬新なカメラワークと、美しい殺陣と、残酷な人体破壊描写で、タランティーノにも影響を与えた監督である。

尋常じゃない人生に生まれ落ちた主人公の無常な半生を描いた作品。
まさに凝りに凝った構図とカメラワーク。
音の使い方が突然の爆音で度肝を抜かれるシーンを描いたり、逆に最後などは、ただウグイスの鳴き声だけで、広い屋敷の中で主人を探す荒涼とした心情を描くなど、とても素晴らしい演出だった。

殺陣の前には主人公の心穏やかなシーンを入れ、緩和から一挙に緊張のシーンへと高めている。
単純な仇討ち物語とせず、むしろあっけらかんと意趣返しを早々に終わらせる。また、ラストシーンもサラッと終わらせるなど、一味違う物語にした脚本も良かったと思う。

冒頭の藤村志保のアップからの暗殺行動、いきなり天知茂に打首にさせられる場面への転換、そして回想で実はこの二人は夫婦だったまで、息もつかせぬ展開で、結局この作品は70分がアッという間だった。
そして何よりも、雷蔵の美しさを堪能できる。惚れ惚れとしてしまった、
tacky

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