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007/リビング・デイライツのShinMakitaのレビュー・感想・評価

007/リビング・デイライツ(1987年製作の映画)
2.9
チェコ、プラティスラヴァ。KGB高官のコスコフから亡命の打診があり、ジェームズ・ボンドはコスコフを狙うKGB狙撃手の「始末」のため現地入りする。

コンサート会場から、コスコフは無事ボンドらの元に逃げ込んだが、その際彼を狙ったスナイパーは女で、しかもド素人だった。プロしか殺さない信条のボンドは、故意に狙いをそらし、スナイパーの命を救う。

イギリスに護送されたコスコフは、英国情報部にとんでもない情報を与え始めた。KGBの責任者プーシキンが精神異常をきたし、米英の諜報員を皆殺しにする「スパイに死を」作戦を発動したというのだ。確かに、先日もジブラルタル基地で演習中だった00要員が殺害される事件が起きている。だが、作戦の詳細を話す前に、コスコフはKGBに誘拐されてしまった。プーシキンを殺せとMに命じられたボンドだが、彼は「素人スナイパー」が気にかかっていた。そして単身、プラティスラヴァに舞い戻る。

そこで、ボンドはスナイパーの正体を突き止める。彼女はプロのチェロ奏者で、コスコフの愛人カーラ・ミロヴィだった。コスコフに頼まれ、狙撃の演技をしただけのようだ。確かに、狙撃銃の中には空砲が詰められていた。亡命が偽装であることを見破ったボンドはコスコフの情報そのものがニセではと疑う。一方KGBは、公金を横領したコスコフを追跡していた。ボンドとカーラはKGBに追われ、オーストリアに避難するのだが・・・




『リビング・デイライツ』


新ボンド、ティモシー・ダルトン登場編。実にまっとうなスパイ映画らしい筋立てで観客を魅了する作品でした。コスコフは武器商人のウィティカーと手を組みソ連の外貨を盗んでいたのですが、それがバレそうになって、邪魔なプーシキンを始末する為、偽装亡命を計画したのでした。利用されちゃったカーラのいじらしさにマイってしまいますね。 演じるマリアム・ダボは、今も活躍する美人女優。守ってあげたくなるか弱さと知性、芯の強さも持つカーラという役柄にぴったりでした。劇中、ボンドが一度も浮気をしないのも納得のニューヒロインです。

クールと知性で、ユーモアが控えめなダルトン=ボンドですが、脚本が巧いこの作品との相性がよかったですね。アフガニスタンから飛び立った輸送機で殺し屋ネクロスとの死闘のあと、「彼(ネクロス)はどうしたの」とカーラに尋ねられ、「He got a boot」と答えたボンド。「彼はお払い箱さ」と訳すとこでしょうが、これ、ボンドのブーツを持って落下していったネクロスを表したダジャレなんですね。んまー、知的。結局字幕は「彼はブーッ飛んだよ」となってましたが・・・苦しい!
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