芹沢由紀子

母なる証明の芹沢由紀子のレビュー・感想・評価

母なる証明(2009年製作の映画)
3.3
やたら高評価で、自分のキュレーションシステム上にしつこくしつこく「あなたにお勧め」と出てくるので、負けて観てみました。

10年も前の作品なのですね、ポン・ジュノ監督がブームになったので再評価されているのですね、納得。

とにかくウォンビン!若い!かわいい!ってなりました。
「アジョシ」の主演の人と同じとは思えないほどトジュン、に見えました。
おばさん(母親)の女優さんは素晴らしかったです。ただ、韓国の映画やドラマのおばさんが全部同じ顔に見えてしまうので、代表的な顔の人なのでしょうか?
今の若くて素敵な韓流の女優さんたちも30年後には全員こんな感じの顔になるんでしょうか?

もともとおばさんが主人公の物語は結構好きなので、もっと作ってくれ!と思います。

韓国の女優さんの演技は多少大げさな!と思ってしまいそうですけど、葬式などでは大げさに泣き叫ぶ役の人(そういう便利屋みたいな実在の職業)も雇うらしいので、大げさに怒り狂い嘆き悲しむことは肯定されているのでしょうな。
なんか「衝撃のラスト展開」とか読んでいたので、中盤以前にうっすらネタが読めていたんだけど、でも「こう来たか!」と思える気持ちの悪いラストはよかった。

そして場面ごとの緊張感がとても際立っていたなあ。
雨の中や、鉄くず置き場の炎の中の演出、草原でのなんとも言えない感情を表現するシーンなど、素晴らしく映画的でうっとりしてしまいました。

息子と二人だけで共依存的に生きてきた、そして生きていく家族をクローズアップした視点は、たとえ子供に障害がなくとも、日本の引きこもりの5080問題を彷彿とさせ末恐ろしくなりました。けして「いろいろ犠牲にしたけど、最後はほのぼのハッピーエンドでよかったね話」ではない。

やはりこの監督さんはすごい人なんだな!パラサイトも早く見たいな。
芹沢由紀子

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