アキラナウェイ

ミセス・ダウトのアキラナウェイのレビュー・感想・評価

ミセス・ダウト(1993年製作の映画)
4.2
公開当時、CMを観る機会が多くてすっかり観た気分になっていたけど、実は初鑑賞。

ロビン・ウィリアムズが60歳近くの女性に扮し、特殊メイク担当のグレッグ・キャノンがアカデミーメイクアップ賞を受賞した作品。

フリーランスの声優・ダニエル・ヒラード(ロビン・ウィリアムズ)は、妻ミランダから離婚を突きつけられるが、3人の子供達と離れ難い一心でトンデモない計画を思い付く。ミランダが家政婦を募集している事を知り、年配の英国人乳母"Mrs.ダウトファイア"に扮装し、子供達の世話係を買って出るのだった—— 。

声優として、小鳥のアニメキャラクターのアフレコ風景から始まる物語。

もう!!この時点でロビン・ウィリアムズの魅力と才能が炸裂している!!

次から次へと声色を変え、早口で捲し立て、喜怒哀楽の感情を超人的に表現するその姿に、圧倒されてしまう。

ダニエルは子供達が大好きで、自由奔放。子供向けアニメに喫煙シーンが含まれている事に異議を申し立てた事で、アニメの制作会社と対立し、開始早々声優をクビになって無職になってしまう。そんな彼に妻も業を煮やし、離婚に踏み切る事に…。

ダニエルはメイクアップアーティストの弟フランクと彼のパートナーであるジャックに、老婦人に見せるための人工マスクを含むミセス・ダウトファイアの衣装の製作を依頼し、Mrs.ダウトへとトランスフォーム!!

妻から名前を尋ねられ、咄嗟に目に入った新聞記事から、"Mrs. Doubtfire(=放火の疑い)"と名乗るのが面白い。コナンくんが咄嗟に本棚にある江戸川乱歩とコナン・ドイルの著書の背表紙から偽名を思い付くのと同じだね。

教育には厳しく、料理の腕も堪能。有能な家政婦というのは表の姿。ダニエルは料理など出来ないので、コンロの火がおっぱいに燃え移ったり、家庭裁判所調査官の家庭訪問時に、ダニエル↔︎Mrs.ダウトの一人二役を演じ分けるドタバタぶりだったり、とにかく楽しい!!

劇中流れるエアロスミスの"Dude"に気分もアガるぅぅぅ〜!!

親権公聴会で語るダニエルの言葉が印象的。

子供が私の全て。
子供達に会うなと言われる事は
息をしないで生きていけと
命令されるのと同じです。

全僕が泣いた!!

僕も離婚して子供達とは週末にしか会えない生活を繰り返して10年余り。お陰で高2の娘と中3の息子とは、今でもほぼ毎週一緒に過ごすし、そろそろ年頃なのにまだまだ仲良し。これも、娘が大学進学する迄だと思うけど。

ダニエル達が見つけたように、家族の在り方には色んな形があるのです。

これは紛れもなく、ロビン・ウィリアムズのマスターピースの1つ。